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足脱毛が変えてくれた夏
今年の夏は、私にとって特別な夏になりました。それは、長年にわたる足の脱毛をついに終え、初めて迎える「自己処理のいらない夏」だったからです。これまでの夏と、今年の夏。日常の些細な風景は同じはずなのに、私の目に映る世界は、まるで別物のように輝いて見えました。以前の私にとって、夏は解放の季節であると同時に、常にムダ毛との戦いを意識させられる緊張の季節でもありました。朝、クローゼットの前で服を選ぶとき、まず考えるのは「今日の足の処理は完璧か」ということ。少しでも剃り残しがあれば、ショートパンツは諦めてロングスカートを選ぶ。そんな消極的な選択が当たり前でした。サンダルを履くときも、足の指に生えた一本の毛が気になって、何度も確認してしまう。ビーチサンダルで砂浜を歩いても、砂と汗でカミソリ負けした肌がヒリヒリしないか、そんなことばかりが頭をよぎっていました。しかし、今年の夏は違いました。朝、目覚めて、何の気兼ねもなくお気に入りのショートパンツに足を通す。その瞬間の、何にも縛られない解放感。バスルームからカミソリが姿を消し、その代わりに並べられたお気に入りの香りのボディクリームを、滑らかな肌にゆっくりと馴染ませる時間。それは、自分を慈しむ、とても豊かなひとときでした。友人たちと訪れた海では、ムダ毛のことなど一瞬たりとも気にすることなく、ただ青い空と打ち寄せる波の音に心を委ねることができました。水着になることへの抵抗感も、不思議なくらいなくなっていました。それは、肌が綺麗になったという物理的な変化以上に、長年のコンプレックスから解放されたことによる、精神的な変化が大きかったのだと思います。足元のお洒落も、心から楽しめるようになりました。華奢なストラップのサンダルも、カラフルなペディキュアも、滑らかな肌の上で一段と輝いて見える。脱毛は、私からムダ毛をなくしただけではありません。それは、私に自信を与え、夏の全ての瞬間を、心の底から楽しむための翼を授けてくれたのです。来年の夏が、今からもう待ち遠しくてたまりません。