男性脱毛の中で最もニーズが高いひげ脱毛ですが、その道のりは他の部位に比べて長く、根気が必要であることを理解しておく必要があります。なぜなら、男性のひげは、体毛の中でも特に「太く」「密度が高く」「根が深い」という、脱毛にとって最も手強い特性を兼ね備えているからです。この特性を理解し、現実的な期間と回数の目安を知っておくことが、途中で挫折しないための重要なポイントとなります。医療レーザー脱毛の場合、ひげ脱毛で多くの方が最初に目指すゴールは「毎日のひげ剃りが楽になる」というレベルです。この状態に到達するまでには、個人差はありますが、おおよそ5回から10回の施術が必要とされています。施術の間隔は、毛周期に合わせて1ヶ月半から2ヶ月に一度が基本となるため、期間にすると約1年から2年近くかかる計算になります。この段階まで進むと、ひげの生えるスピードが格段に遅くなり、まばらに生えてくるようになるため、ひげ剃りの頻度は週に1、2回程度にまで減らすことができるでしょう。そして、最終ゴールである「自己処理がほとんど不要な、つるつるの状態」を目指すのであれば、さらに多くの回数が必要になります。15回から20回、場合によってはそれ以上の施術が必要になることも珍しくありません。期間にすると、3年以上かかる可能性も十分に考えられます。これは、ひげの毛周期が複雑で、休止期が長い毛が多いため、全ての毛にレーザーを照射しきるまでに時間がかかるためです。痛みに関しても、ひげは毛が濃く、皮膚が薄い鼻下やあご周りは、他の部位に比べて強く感じやすい傾向があります。しかし、ほとんどの医療機関では麻酔クリームが用意されており、これを使用することで痛みは大幅に軽減できます。また、回数を重ねて毛が薄くなっていくにつれて、痛みも着実に和らいでいきます。ひげ脱毛は、決して楽な道ではありません。しかし、その長い道のりの先には、長年のコンプレックスと日々の煩わしさから解放された、快適で新しい日常が待っているのです。
男性のひげ脱毛、完了までのリアルな道のり