「病院の脱毛もサロンの脱毛も、機械で光を当てるだけでしょ?何が違うの?」脱毛を検討し始めたばかりの方は、そう思うかもしれません。しかし、この二つは似て非なるもの。むしろ、目的も方法も全く異なる、別のサービスと捉えるべきです。その決定的な違いを理解することが、あなたにとって最適な選択をするための第一歩となります。まず、最も根本的な違いは「目的」です。病院で行う医療脱毛の目的は「永久脱毛」です。これは、毛根組織をレーザーで破壊し、毛が半永久的に生えてこない状態を目指す医療行為です。一方、サロンで行う美容脱毛の目的は「減毛・抑毛」です。出力の弱い光で毛根にダメージを与え、一時的に毛の成長を抑制します。組織を破壊するわけではないため、効果は永続的ではなく、通うのをやめればまた毛が生えてくる可能性があります。この目的の違いは、「使用する機器」の違いから生まれます。病院では、医師の管理下でしか使用が許可されていない高出力の「医療用レーザー脱毛機」を使用します。高いエネルギーで毛根を的確に破壊するため、効果が高いのです。サロンでは、誰でも安全に扱えるよう出力を抑えた「光脱毛機(フラッシュ脱毛機)」を使用します。肌への負担は少ないですが、効果はマイルドになります。施術を行う「人」も異なります。病院では、国家資格を持つ医師または看護師が施術を担当します。皮膚に関する専門知識を持ち、万が一の際も医学的な対応が可能です。サロンでは、エステティシャンが施術を行いますが、彼らは医療資格を持っていません。そのため、医学的な判断や処置は一切できません。これらの違いは、「効果実感までの期間と回数」にも直結します。病院の医療脱毛は一回あたりの効果が高いため、比較的少ない回数(5回〜8回程度)で自己処理が楽になり、1年半〜2年ほどで完了を目指せます。一方、サロンの美容脱毛は効果が穏やかなため、同等の状態になるまでには倍以上の回数(12回〜18回以上)と、3年以上の長い期間が必要になる傾向があります。どちらが良い悪いという話ではありません。「確実な結果と安全性を最優先し、永久脱毛をしたい」なら病院、「痛みを極力抑え、初期費用を安く、一時的に毛を減らしたい」ならサロン、というように、自分の目的と価値観を明確にして選ぶことが何よりも重要なのです。