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  • 最新治療ポテンツァのニキビ跡改善メカ

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    美容医療の世界で、クレーター状のニキビ跡に対する切り札として注目を集めているのがポテンツァです。ダーマペンと同じくマイクロニードル治療の一種ですが、そこに高周波、すなわちラジオ波(RF)を組み合わせることで、従来の治療法を凌駕する効果が期待されています。このポテンツァが、なぜ頑固なニキビ跡にこれほどまでに有効なのか、そのメカニズムを少し深く掘り下げてみましょう。ポテンツァの治療は、まず極細の針(マイクロニードル)を皮膚に刺すことから始まります。この時点で、肌には意図的に微細な傷が作られます。すると、私たちの体は、その傷を治そうとする創傷治癒というプロセスを開始します。この過程で、線維芽細胞が活性化され、肌の弾力やハリを司るコラーゲンやエラスチンが大量に生成されるのです。これにより、ニキビ跡によって凹んでしまった皮膚組織が内側から持ち上がり、徐々に滑らかな状態へと再構築されていきます。ここまでは、ダーマペンなどの従来のマイクロニードル治療と同様のメカニズムです。ポテンツァの真価は、ここからさらに一歩進んだ機能にあります。ポテンツァの最大の特徴は、針を皮膚に刺した状態で、その針先から高周波(RF)を直接真皮層に照射できる点にあります。高周波には、タンパク質を熱凝固させる性質があります。真皮層に照射された高周波エネルギーは、周辺の組織に熱ダメージを与え、コラーゲン繊維を瞬間的に収縮させます。これにより、即時的な肌の引き締め効果、いわゆるタイトニング効果が生まれます。そして、より重要なのが長期的な効果です。熱ダメージを受けた真皮層では、創傷治癒のスイッチがより強力に入り、線維芽細胞がさらに活性化します。その結果、新しいコラーゲンやエラスチンの生成が、マイクロニードルの物理的な刺激だけの場合よりも、格段にパワフルに、そして長期にわたって促進されるのです。つまり、ポテンツァは、針による物理的刺激と、高周波による熱的刺激という二つの異なる作用を同時に肌の奥深くに届けることで、相乗効果を生み出し、強力な肌再生を促す治療法なのです。また、針先から高周波を照射する際に止血作用が働くため、ダーマペンと比較して出血が少なく、ダウンタイムが短い傾向にあるのも大きな利点です。